洋書コーナー

“The Woman in the Window” by A. J. Finn

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⭐️⭐️⭐️ (3 Stars)

今日は2018年に出版された“The Woman in the window”by A.J. Finnです。こちらの小説はAmy Adams主演で映画化されています。去年ぐらいにブックチューブでたくさんの人がこの本を読んでいて、高評価だったのでちょっと興味はあったのですが、まあ自分で買うほど興味があるわけでもなく、ある日図書館に行ったらあったので借りてみました。

あらすじはニューヨークの家に一人で住んでいる(旦那と娘とは別居しており、離れて暮らしている)精神科医のアナフォックスという女性は外に出るのが怖くなってしまう病気になり、過去10ヶ月間を外に出ず、家の中で一人で過ごしています。話をするのは自分の担当の精神科医と体のリハビリに来てくれているトレイナーと地下に住んでいる借家人そしてオンラインでチャットする人たちだけです。彼女は窓からカメラで近所の様子を毎日みています。そして精神を安定する薬を飲みながらもお酒を毎日飲んでいて、心の状態が安定していません。そんなある日向かいの家に新しい家族が引っ越してきて、その家で誰かが殺されるのを窓からみてしまったことから話がどんどん進んでいきます。

星は3つです。本の前半はちょっとゆっくり進むのでつまらなかったのですが、半分ぐらいから話がどんどん展開して面白くなってきて続きが気になりやめることができませんでした。でもまあありがちなサイコスリラーというか、どんでん返しもひとつは予測できちゃったし、まあ最後の犯人当てはできなかったけど。

主人公はずっと家にいるので、白黒映画をみて、お酒を飲んでることが多いのですが、私は白黒映画に関して無知なので、古い映画の言及がある場面はあまりピンと来なくて、すこし飛ばし気味に読んでしましました。白黒映画に詳しい人はもっと『あっあの場面ね』とか想像ができて楽しめたと思います。

主人公はお酒ばかり飲んでるし、人の家をのぞいてるし、素敵なキャラクターとは言えないのですが、なぜか嫌いになれず応援してしまうキャラクターでした。やめとけばいいのにということばかりするので読んででイライラするのですが、それでもつい応援してまう。それは彼女の状況に私がかなり同情してしまい、自分と彼女の状況はかけ離れたものにも関わらず自分を彼女の状況に置き、その心情を想像することである意味共感でがきたからだと思います。

彼女は精神的に病んでいて、薬もお酒もたくさん飲んでいるので、信憑性がなく、彼女の言うことを信じてくれる人が誰もいません。この状況を考えると本人には本当にもどかしい状況だろうなと想像がつきます。これはずっと前からたまに考えることなのですが、いわゆる精神的に病んでいるというレッテルと貼られてしまった人の中のたくさんの人がこのような思いを日々しているのだろうなということです。

幻覚を見ることの多い病気などもありますが、この場合本人には本当に見えているわけで、嘘でもなんでもないわけです。それを周りの人は見えないから信じてもらえないし、でも本人は嘘をついているわけではないし。この状態が続くと双方にとって莫大なストレスとなると思います。この状態にもしも自分がなってしまったらと思うととても怖くなります。だって自分にはちゃんと見えてるものが他の人には見えてなくってみんなからそれは幻覚だって言われるけど自分にとっては幻覚でもなんでもなく本当に目の前で実際に起こってることなんだから。自分の言っていることを誰一人も信じてくれないことの恐ろしさがこの本の中にはあります。

とすこし話がずれてしまったかもしれませんが、まあこの本は楽しめたし、感情移入もできたし、割とよかったけど絶対に読んだ方がいいよと勧めるほどでもなく、星3ということになりました。

エイミーアダムス主演の映画もぜひみてみたくなりました。彼女は割と好きな女優さんなので彼女の演技も楽しみです。

この本は私にとってはエンターテイメント性もあり、話は話でサスペンスフルなのですが、それ以上に精神の病やそれによって誰も自分を信じてくれなくなる状況を想像してしまい、そちらの方が怖かったです。

作者は色々と問題があるようですが、本自体は特に後半は読者を惹きつける力があったし、主人公の精神状態もうまく書かれていたと思うし、まあよかったと思います。

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