洋書コーナー

“An Unwanted Guest” by Shari Lapena

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⭐️⭐️⭐️(3つ星)

今日はShari Lapenaという作家さんが書いた『An Unwanted Guest』です。私は最近またちょっとしたリーディングスランプに陥っていたのでそこから抜け出すべく殺人ミステリーのこちらを選んでみましたところ思った通り、犯人が気になるのでサクサクと読み進めることができおかげさまでリーディングスランプからは脱出できました。この作家さんもブックチューブでみたこと(聞いたこと)のある作家さんで、今まで読んだことはなかったのですが興味があったので手に取ってみました。

あらすじは山の奥深い場所にあるこじんまりした素敵なホテルにそれぞれの思いで、週末を過ごそうとやってきたゲストたちに起こる殺人事件のお話です。素敵な週末を求めてやってきたゲルトたちですが、山では吹雪が起き、停電そして雪により街へのアクセスも絶たれ、彼らはホテルに閉じ込められる状況に陥ってしまいます。そんな中、一人の女性が死んでいるのが発見されます。最初は事故だと思っていたゲストたちですが、二人目の死体が見つかり、それぞれがお互いを疑い始め、自分の身を守ることと犯人を探し出すことに必死になっていきます。

星は3つ。続きが気になるようにうまく書かれているのでどんどん読み進めていくことができますし、犯人は最後までわからないし、私をスランプから抜き出してくれたのでその点ではとてもよかったのですが話自体は典型的な殺人ミステリーでよくある雪山での閉じ込められての犯人探しという今まで何度も何度も書かれた設定だと思いました。確かに最後まで犯人はわからなかったし、雪山に閉じ込められた感じの雰囲気がよく出ていたけれど犯人がわかっても驚きはなく、まあ動機も予測できない動機だし、あーそうだったの〜という感じで特に大きな感情は湧き上がらなかったのがちょっと残念でした。

登場人物は割とたくさんいるのですが結構キャラがはっきりしているので混乱することはあまりありませんでした。しかし共感できるキャラクターがひとりもいなかったところも残念な点でした。読みやすいし、話もグイグイ引き込まれるし、何が悪かったと聞かれると答えるのが難しいのですが、個人的には可もなく不可もなくという感じで印象に残る作品ではありませんでした。きっと私の中で『ゴーン・ガール』を読んでからというものミステリーに驚きを期待する度がかなり高くなってしまって、そのような驚きが少ないと低評価になってしまう傾向があるように思います。

この作品も古典的な殺人ミステリーが好きな方にはぴったりに作品だと思います。実は恥ずかしながら読んだことがないのですがアガサクリスティーの作品はきっとこんな雰囲気なんじゃないかなとこの本を読んでいて思いました。でも最後の最後はいい感じのツイストがあってこれは好みでした。

この作者は他にも数々のミステリーを書いているようなので機会があったら他の作品も読んでみたいと思います。殺人ミステリーだけどグロい描写などもなく、サクサクと読めるので興味のある方は是非どうぞ。

私調べによると2021年現在で日本語版はまだ発売されていないようです。

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