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“11/22/63” by Stephen King

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⭐️⭐️⭐️⭐️(4つ星)

読むのにかなり時間がかかってしまいましたが、ついにこの長作を読み終えました。スティーブンキング先生の『11.22.63』です。作者は言わずと知れたホラーの王様スティーブンキングです。彼の作品は有名なものがたくさんあり、映画化されているものもたくさんあるのですが、よく考えてみたら映画はたくさんみているのですが実際に彼の作品を読んだことはあまりなかったように思います。彼はホラーで有名ですがこの作品は珍しくホラーではない作品です。ジャンルは一つに絞るのは難しいタイプの物語でSciFiでもあり、ヒストリカルフィクションでもあり、ラブストーリーでもあるようなタイプの物語でした。

この作品は2011年に出版されたのですでに結構な時間が経っている作品なのですが、ツイッターなどで読んでいる方を複数見かけ、評判も良さそうだったので読んでみることにしました。何と言っても740ページの大作で読み終わるまでにかなりの時間がかかってしまいました。しかし読み終わった後の読了感は満足のできるものでした。

あらすじはあまり詳しく紹介せずに読んでもらった方がいいかもしれないので短く書きますが、単刀直入に言えばアメリカの35代目の大統領ジョンFケネディが1963年の11月23日に射殺されます。これはみんなが知っている歴史的事実なのですが、この衝撃的な歴史的事実をもし変えることができるのであればどうするか?というお話です。主人公はJake Eppingという35歳の教師で、彼がこのチャンスを与えられ、どうするか?というところから始まります。

私の評価は星4つです。読んでいる途中は長すぎてちょっと退屈になってしまった部分もありましたし、500ページぐらいから話がどんどん進み始めた時にそれまでの500ページは必要だったのか?もうちょっと短くできたのではないか?とも思ったのですが、最後まで読んでやっぱりこれは作者が意図して長く書いたのではないかと思いました。主人公のこの長い旅というか行路を500ページ分、一緒に歩んできたからこそ最後の方がより感情移入できたのではないかと思ったからです。最後の方は最初に比べてどんどん話が進んでしまって、もうちょっと時間をかけて話を終わりに持っていってもいいのではないかとまで感じました。(740ページも読んだのにもうちょっと最後の方を長くしてもいいのではなんておかしな話ですが。。。)

冒頭でも書いたようにこの物語はSciFi、ヒストリカルフィクション、ラブストーリー、政治的要素などたくさんのジャンルをまたがっている壮大な物語で、実際に起こった歴史的事実を軸にしてすごい話を作ったなあと感心してしまいました。

個人的には60年代の文化的引用などがわかりにくい部分もあり、ちょっと読むのが困難な部分もありましたが、それでもこの壮大な物語に感動したし、最後はすごく複雑で言葉ではうまく言い表せないような感情になりました。もし私が60年代を生きて、このケネディ暗殺をリアルタイムで経験していたとしたらもっともっとたくさんのことを理解できたし、感情移入ができたのではないかと思います。60年代のアメリカを生きた世代の人たちにとってはこの本がもっと特別な意味をもつ話になることと思います。

物語の結末には賛否両論あると思いますが、私としてはJakeにとってこの決断しかなかったのだろうからこれでよしと思うしかないよねという気持ちでした。切ないけど微笑んで本を閉じるようなそんな終わり方で、個人的にはよかったと思いました。

この物語は読んだ後に色々と考えさせられるとても興味深い本でした。もし過去を変えることができるなら?また過去を少しでも変えることによってバタフライ効果で未来は全く違うものになってしまうのか?

ホラーで有名なスティーブンキングですがこのようなホラーでない物語も素晴らしく、やはり物語を書く才能があるのだなあと改めて実感しました。よく考えてみると私はスティーブンキングの映画で『ショーシャンクの空に』と『スタンドバイミー』が大好きなのですがこの2作もホラーじゃないので私はスティーブンキングのホラーじゃない作品が好きなのかもしれません。個人的にはキング先生にもっともっとホラーじゃない作品もたくさん書いてもらいたいですね。

ということでスティーブンキングの『11.22.63』はみなさんにオススメできる作品だと思います。特に60年代のアメリカを生きた人たちにぜひオススメしたい作品だと思いました。かなり長いので読むのに気合のいる作品だと思いますし、500ページぐらいまでは結構ゆっくりと話が進むので挫折しかねない作品かと思いますが、500ページをすぎたあたりからどんどん進んでいきますし、最後に読み終わった後に得られる満足感は半端ないと思います。

映像化もされているようですし、日本語版も出ているので興味のある方はぜひそちらもどうぞ。

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