洋書コーナー

“An Anonymous Girl” by Greer Hendricks and Sarah Pekkanen

⭐️⭐️⭐️ (3 stars)

今回は”An Anonymous Girl” by Greer Hendricks and Sarah Pekkenenです。この本はかなり前にブックチューバーの間でよく読まれていた本で、その感想は覚えていなかったのですが、確か人気があった本だということは知っていたので読んでみました。

主人公はジェシカというメイクアップアーティストの女性で、彼女が小耳に挟んだ心理アンケートのようなものを他人の代わりに受けるところから始まります。

最初はお金のためだけに心理テストに参加したジェシカですが、テストを何回か受けていくうちに質問は答えにくいものになり、実際にやらなければいけないタスクがどんどん難しく、時に危険になっていきます。ジェシカはそのうちテストの主催者であるドクターシールズを疑うようになりますが、なかなかそこから抜け出すことができず、そうこうしているうちにドクターシールズに関する秘密を見つけていくというサスペンスものです。

星は3つです。ちょっと期待しすぎてしまったのかもしれないのですが、なんか不完全燃焼というかあまり驚くところもなかったし、途中からちょっとつまらなくなってきてしまって、終わっても『ふーん』という感じだったので少し残念でした。

始まりはすごく引き込まれて、設定も面白いし、これからどうなっていくの??っていう思いが強かったのですが、話が進むにつれて、不思議とどんどん興味がなくなっていってしまいました。

キャラクターも思い入れのできる人が一人も出てこなかったし、全員なんだか好きになれないキャラでした。主人公もあまり共感できなかったし、ドクターシールドも最初から怪しくてなぜジェシカが惹かれたのかわからないし、旦那さんもなんだか印象薄く、冴えない感じだし。作者はどうして主人公をもっとみんなが共感して深く思い入れできるようなキャラクター設定にしなかったのかな?とちょっと不思議に思いました。

まあ読んでてハラハラドキドキしたところもあったし、ちょっと驚いたところももちろんあったのだけど基本私は悪い方悪い方へどんどん進んでいいくお話が苦手なのかもしれません。臆病者だから自分だったら最初からそんなテストには参加しないし、ちょっとでもおかしいと思ったらすぐに逃げて欲しいという思いが強く、まあお金のことがあるとはいえなんでジェシカははっきりと『もうやめます。』って早く言わないんだろうとイライラしてしまいました。

ブックチューブでたくさんの人が読んでいたので人気の本だと思い読み始めましたが残念ながら私はまあまあという感想でした。途中で誰を信用したらいいのかわからなくなることもあり、その辺りは面白いと思いましたが、今ひとつ入り込めなかったのが3つ星になってしまった理由です。

この本は二人の作家の合作となっていますが、この二人はこの本の前にもう一つ“The Wife Between Us”という作品も一緒に書いています。この作品も話題になっていたので気になっているのですが、今回の本が期待外れだったので読むべきかスキップするべきか悩むところです。“The Wife Between Us”は割と意見が別れている印象を受けるので、自分がどっちのグループに入るのか興味もあります。

私が調べた限り現時点で日本語翻訳版はまだ出ていないみたいでした。個人的にはいまいちだったけど、すごく人気な本なので興味がある方はぜひ一度手にとって読んで、感想教えてください。

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