“The Lies I tell” by Julie Clark

(⭐️⭐️⭐️3つ星)
今回はJulie Clarkの”The Lies I tell”をご紹介します。この作家は私にとってこれが初めての作品でこの作品と作家については全く聞いたことがなかったのですが、なんとなく手にとってあらすじを読んだところ面白そうだったので、読み始めたらとても読みやすく割とサクサク読むことができました。
この作品は2022年に出版されたミステリー系のお話で、Good Readsでも星が4つ以上ついている人気のある本のようです。(私が知らなかっただけ)そして作者はこの本の前にすでに”The Flight”という本を出版していてこちらも人気があるようです。
さて、あらすじは主人公で詐欺師のMegとそのMegの正体を暴くためにMegを追い続けているKatというジャーナリストの二人の視点から構成されています。Megは色々な人を騙すために自分の本当の正体を隠し、計画的に人を騙していきます。読者はMegが過去にどうやって人を騙してきたのかをMegの語りから知ることができます。Katは過去の事件でMegを逆恨みしており、いつかMegの正体を暴くことに全人生を捧げています。そしてKatはやっと友達になりすましてMegに近づくことができたのです。
という感じの話で、ポイントとしてはなぜMegが詐欺をし続けているのか、そして最後になるかもしれない今回の詐欺にMegは成功するのかとKatはMegの正体を暴くことができるのかというこの二つが焦点になっています。
星は3つです。読みやすいし、先が気になるのでどんどん読み進めていけるので作者は人の興味を掴み取るスキルがあると思います。なのになぜ3つ星なのかというとちょっと話がうまく行き過ぎに感じたのと、割と予測可能なお話だったからです。読み終わった後もスッキリするし終わり方も良かったし、特に女性の読者としては共感できるというかMegのキャラクターを応援したくなリました。これは女性が主人公で女性の目線から描かれているので私は共感できましたが、男性が読んだらどうなのかな?と興味が湧きました。悪い人がのうのうと生きていけることが起こりうるこの世の中で、正義というものはなんなのか、正しいことと間違っていることの判定は難しいなと思いました。
本の中の一文でいいなと思ったのは”The difference between justice and revenge comes down to who is telling the story” という一文でした。これはたまに考えることですが、正義と悪というのは誰が話しているかによって正解が色々あるもので、例えば戦争なども自分の国が正しいと思うのは当たり前でまた相手の国が自分の国が正しいと思うことも当たり前なので、自分の立場によって正義や悪は逆転しうるものであり、そこを踏まえてみんなが一歩引いて、相手の立場に立って考えてみるということをお互いにしなければ平和や理解なんて無理だろうなと思います。
話が暗くなってしまいましたが、このお話はあまり深く考えずエンターティンメントとして楽しむのにはいい本だと思います。個人的には残念ながらかなりの箇所でこんなに何事もうまくいくわけないじゃんと思ったしまったので最終的な星は3つとなりましたが最初から最後まで飽きることなく、チャプターも短く、話し手の人数も少ないのでフォローしやすいので全体的にとても読みやすいいい本だと思います。映像化したらいいんじゃないかな?と思うお話でした。
この作者の他の作品も読んでみたいなと思いました。ちょっと調べてみたところ2025年に”The Ghostwriter”という新作も出ているようでそちらも人気があるようなので機会があったらぜ読みたいです。
ちなみに日本語版も出ているようで、日本語題名は『私の唇は嘘をつく』になっています。読後感もよく、サクサク読めるページターナーを読みたい時におすすめの作品です。
