“When You Reach Me” by Rebecca Stead
⭐️⭐️⭐️(星3つ)
今回はサクッと読める”When you Reach Me” by Rebecca Steadです。これは児童書(またはYA)とカテゴライズされている本で、10歳ぐらいからおすすめとなっていました。
あらすじは6年生の女の子ミランダとその周りで起こる日常と非日常の交差を6年生の視点から書いたもので、ミランダと同じアパートに住む親友のサルがある日突然、近所の子供に殴られてしまい、その日からサルはミランダと話をしなくなってしまうところから始まります。サルがなぜ友達でなくなってしまったのかわからないながらもサルと距離を置き、新しい友達と仲良くなっていくなかで、ある日ミランダが学校から帰ってくると家の鍵が開いていて、そのあと誰からかわからない謎のメモを見つけます。このあとミランダはさらに数枚のメモを見つけます。メモにはミランダにとってわけのわからないことが書いてあり、誰かの命が危ないというような内容が書かれています。誰がそしてなんのためにミランダにメモを置いているのか?危険にさらされる友達とは誰のことか?
私的には星3つでした。まあまあ。アマゾンの評価もグッドリードの評価もかなり高得点だったのでまた期待してしまったということもあるのですが、コンセプトは新鮮でよかったし、キャラクターもよかったし、最後も予想できなかったので、そこはよかったのですが、終わった後に腑に落ちないというか疑問がたくさん湧いてきて、すっきりと終われなかったところが要因かと思います。
その疑問をここで書くとネタバレになってしまうので書きませんが、じゃあこれはどうなったの?どうしてこれはこうなの?という疑問が多々ありました。そして最初から色々なことが謎すぎてちょっとすんなり入り込めなかった感もありました。10歳ぐらいから読める本としておすすめしてありましたが、10歳の子供はこれをすんなり読めるのかしら?と思ってしまいました。(こんなことを言うと10歳の子供に失礼ですが。。。)もしかすると子供の方が色々考えずに割とすんなりと話に入っていけるのかもしれませんね。大人は頭でっかちになっていて余計なことを色々と考えてしまって、肝心の内容に入っていけないのかもしれません。(まあ私の理解力が不足しているのかもしれませんが。)
キャラクターはみんなとてもよかったと思います。主人公も共感できるキャラだったし、お友達もその親も個性があって読んでいて楽しかったし、微笑ましい場面もたくさんありました。話のコンセプトも斬新で面白いと思ったし、謎解き要素も飽きることなく話を進めていくのにうまく使われていると思いました。最後のプロットツイスト(どんでん返し?)予測できなかったし、感動もしました。
ちょっと腑に落ちないところがいくつかあったので、星は3つにしましたが、この作品は大人にも子供にもおすすめできる作品だと思いました。12歳と言う多感な時期に起こる様々な出来事は本書にあるように些細なことがきっかけで大きな結果になってしまったり、多感な年齢であるからこそ思い込みや勘違いが原因のこともあります。子供の時にこの本を読んでいたらもっと違った感想を持ったかもしれないなと思いました。
最近よく思うのですが、本はいつ読むか、またその本を読んだ時の自分の置かれている状況などにより感想が全く変わってくるものだと思います。人それぞれ違う感想を持つのは当然のことだし、同じ人物でも同じ本を30年の時間を経て再読すると全く違う感想になっていることもあります。その点が、読書って本当に面白いなあと思わされる点です。
内容的に混乱する可能性もありますが、英語自体はシンプルな英語だし、ページ数も少なく、チャプターも短いのでサクッと読める作品だと思います。日本語訳はまだ出ていないようですが人気の作品なので翻訳される可能性もあると思います。
またこの本の中には主人公が常に持ち歩いてる実在する本『Wrinkle in Time』という本があります。こちらもかなり有名な本で評価も高いので、興味のある方はまずこちらの本を読んでから『When you reach me』を読んだらもっとたのしめるかもしれませんね。