洋書コーナー

“City of Ghosts” by Victoria Schwab

⭐️⭐️⭐️(3つ星)今回はVictoria SchwabのMiddle Grade Book ”City of Ghosts”のご紹介です。Victoria Schwabはまたの名をV.E. Schwabといい、”Vicious”やShade of Magicシリーズで有名なファンタシーを得意とする人気の作家さんです。以前に彼女の本”Invisible life of Addie Larue”と”The Near Witch”を読んでDNFしてしまった過去があり、いつも読みたいと思いながらも私には合わない作家なのかな?とも思っていました。

今回の本は手に取るまでMIddleGradeとは知らなかったのですが、ページをめくって、字の大きさとスペースの空き具合にびっくりしたものの、これならきっとDNFすることなく最後まで読めると思い、読み進めました。

あらすじは池に溺れて死にかけた過去のあるCassが主人公で、彼女はそのあとから幽霊を見ることができ、溺れた時に助けてくれた幽霊のJacobはそれ以来いつもCassと一緒にいます。Cassの両親はパラノーマル現象の研究をしていて、二人でパラノーマルに関する本を書いています。ある夏、両親がパラノーマル現象の番組のホストをすることになり、世界中のパラノーマル現象が多いと言われている街に行って撮影をすることになります。Cassはそれについて最初の目的地スコットランドのEdinburghに一緒に行くことになりました。もちろん幽霊で親友のJacobも一緒に。そしてEdinburghでCassとJacobは様々なトラブルに巻き込まれることになります。

星は3つでした。コンセプトはすごく面白いと思うし、舞台になったEdinburghも行ったことのある街なのであれこれと頭で想像しながら読み進むことができ楽しかったのですが、子供向けの本なので怖さはあまりなかったし、大人には少し物足りない感じがするのではないかなと思います。しかしもし私が子供の時に読んでいたらもっと楽しめていたかもしれません。お話自体は興味深いし、キャラクターも好印象のキャラクターが多いし、CassとJacobの友情も微笑ましいし、彼らがEdinburghで繰り広げるアドベンチャーは子供の心で読むともっとドキドキワクワクできたのではないかと思いました。最近はプロットツイストとか背筋がゾクゾクするようなものに惹かれてしまい、ついそのようなものを期待してしまっている自分がいます。もっとピュアな心でお話を楽しむことを心がけないといけませんね。

また、こちらの本は3部作なのですが、2冊目はパリ。3冊目はニューオーリンズ。とこれまたいい感じの都市を選んできたなーと感心しました。2作目の題名は”Tunnel of Bones”だし、表紙の雰囲気もこれはまさに私が行ってみたいような行ってみたくないようなと思いながら調べていたカタコンブで繰り広げられるアドベンチャーだと予想されます。カタコンブはパリの地下にある無数の骸骨が壁のようにひしめいている巨大墓地です。私はこの巨大墓地の存在を知った時にあの華やかなパリの街の下にあるというこの異様な風景に驚き、行ってみたいなと思いました。しかし実際にパリに行くことになった時にこのむき出しの無数の骸骨を見ることに不安と恐怖を感じ、カタコンブには行かないことにしました。観光地になっているし、興味はあるけどこれらはやっぱり亡くなった人たちだし、興味本位でその骨を見ることがなんか変な感じかなという思いが勝ったのともっと他に行きたいところがたくさんあったからというのも行かなかった理由の一つです。しかし、やっぱりこの場所は興味があるし、このシリーズの2冊目も舞台がここだからこそ読んでみたいなと思いました。

そして3冊目のニューオーリンズもブードゥーや幽霊で有名な場所で、個人的に一度は行ってみたい街です。ケイジャン料理もクレオール料理も好きだし、マジックやブードゥーといった不思議な一面も興味深いし、スパニッシュモスというのですか?あのひらひらと垂れ下がっている木とかとにかくすごく雰囲気のある街だと思うのです。昔シリコンバレーに住んでいた時にNOLAという大好きなレストランがあったのですが、このレストランの雰囲気がまさに私の想像するニューオーリンズの雰囲気なのです。いつか本当にニューオーリンズに行ってあの雰囲気を味わってみたいです。そして行く前はこの3冊目を読んでから行きたいですね。

この本は映像化したらすごくいいのではないかな?と思います。ミドルグレード向けのちょっと怖いけどそれほど怖くないシリーズにして、各国で撮影すると面白いと思います。この本は3部作となっており、これで話が終わりになっているのかそれともまだまだ続けられるように終わっているのかがわかりませんが、もし続けられるのであれば世界中の各地にある幽霊に取り憑かれているとされる場所を舞台に続けることができると思います。私の読んだ1冊目ではJacobとの友情がそのまま続く形で終わりますが、この先この二人の関係がどうなっていくのか興味のもてるところです。

この本“City of Ghosts”はもしかすると大人にはちょっと物足りないかもしれませんが、ミドルグレードぐらいの子供だったら怖すぎないのでオススメできる本だと思います。でも大人でもEdinburghに行ったことがあったり、興味のある人だったら街の雰囲気なども楽しめる作品だと思いました。そうゆう点で2作目と3作目も場所の設定的にはすごく興味があるのですが、絶対に読みたいというわけでもなく、もしそれらの場所に行くことがあれば行く前に読んでみたいなと思います。

V.E. Schwabは人気の作家さんですが私は個人的に今まであまり相性が良くなかったように思います。話の設定はいつも興味深い設定で、読んでみたいなと思うのですが、なぜか本を読んでいるうちに進みが遅くなってしまう傾向にありましたが今回は全体が短く、チャプターも短かったこともありどんどんと進めていくことができました。彼女の作品でまだこれ!というものに出会っていませんが、これからも機会があれば彼女の作品を読んでみたいなと思いました。

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