洋書コーナー

“Lessons in Chemistry” by Bonnie Garmus

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⭐️⭐️⭐️⭐️(4つ星)

今回はBonne GarmusさんのLessons in Chemistryの感想です。こちらの作品はブックチューブでもたまに話題に上がっていて、少し興味はあったのですが特に買う予定もなかったところ、たまたまクリスマスプレゼントにもらったので読んでみることにしました。勝手に恋愛ものだと思っていたのですが、まあ恋愛も少し入っていますが内容は恋愛だけに止まらず、様々な社会的テーマが組み込まれていて色々と考えさせられる思ったよりも重たい作品でした。

あらすじは1960年代のアメリカを舞台に化学者であるエリザベスが女性差別と戦いながら努力を続け、自分を失うことなく正直に前を向いて生きていく様が笑いを交えながら描かれたものです。エリザベスは化学者でありながらひょんな事からテレビの料理番組を持つことになります。彼女は料理を科学的に捉え、それをテレビで視聴者に説明し、教えていきます。料理を教える中で、エリザベスの生き様や言動、行動はテレビをみているたくさんの女性を励まし、彼女たちの諦めていた夢を助長することになります。しかし、世の中にはそれをいいことだと思う人だけではなく、悪く思う人ももちろんおり、様々な物議をかもしだすことになります。

私の評価は星は4つです。たくさんの重たいテーマを扱っていながら興味深く、所々笑いも交えて読めたこととエリザベスは自分と全く違った性格でありながら彼女に共感し、最初から最後まで彼女を応援し続けたのは作者の技術があってからこそだと思います。この本がなぜこれだけ人気なのかと考えたところ、多分このお話の中に登場したり、言及されている女性たちが世の中の様々な立場の女性全ての気持ちをうまく代弁しているからではないかと思いました。

エリザベスは化学者という仕事に生きがいを持っており、結婚もしたくないし、子供も欲しくないという女性で、このような考えの女性はエリザベスに色々な面で共感できたと思います。また番組の視聴者は専業主婦が多いので本の中には専業主婦の苦悩なども上手に説明されていて、そちらの層も上手に味方にとっているという印象を受けました。仕事を続けている女性も仕事をしていない女性もそれぞれの悩みや葛藤があり、そこをどちら側もうまくフォローしている感がありました。

それだけではなく、作中にはセクハラやパワハラ、幼児虐待、自殺、宗教などたくさんのテーマが盛り込まれていて、これらのテーマで悩んでいる読者にも共感できる部分があったと思います。

60年代に女性が化学者として大学に行ったり、働いたりすることは並大抵のことではなく、エリザベスの身にも納得いかない出来事が多々起こります。その葛藤を一緒に経験している感が読者にあり、読みながらイライラしたり、怒ったりすることがとても多かったですが、それだけ自分の感情を移入して読めたということだと思います。

確かに現実的ではない部分も多々あり、そんなにうまく偶然が重なることはないだろうと思いますがそこはフィクションということでエンターテイメントとして読めば問題はないかと思います。

読み終わった後にふと思ったのは私は自分が女性なのでエリザベスを最初から最後まで応援して共感できましたが、もしこの本を男性読んだら女性とは違った感想を持つのかな?と疑問に思いました。

私は割と全体的にサクサク読むことができましたが途中の料理番組を始めたあたりから少しペースがゆっくりになった感があり、真ん中はもうちょっと短くしても良かったのではないかと思いました。始めと終わりは物事が素早く進みすぎた感があったので始めと終わりにもう少しページ数を増やして真ん中を減らしてもいいかなと個人的には思いました。

こちらの本は特に女性に勧めたい本ですが、重いテーマがたくさん入っているので性的虐待や自殺などのテーマが苦手な方は避けたほうがいいかと思います。私はロマンスだと思って軽い気持ちで読み始めてしまったので、話の展開に割とびっくりしてしまいましたが、エリザベスの辛い経験があったからこそ彼女を応援したい気持ちになったのだと思うので読むのが辛い場面も本全体の経験として必要不可欠だったのかもしれません。

このお話から私が読み取ったメッセージは自分に正直に生きることです。私自身を含め自分に常に正直に生きることはなかなか難しいことだと思います。もちろん嫌なことをやらなければいけない時もありますが、できるだけ自分が正しいと思うことを貫く姿勢を持ち、これは絶対に間違っていると思ったことはそれは間違っているんじゃないか?と言葉にできるような人になりたいと思いました。

私が調べた限りではまだ日本語版は出ていないようです。読み終わってもう一つ思ったことは、これはもしかしたら映画にしてもいいお話かもしれないなと思いました。

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