洋書コーナー

“Beautiful World, Where are you”by Sally Rooney

⭐️⭐️(2つ星)

今回はSally Rooneyの”Beautiful World, Where are you”の感想です。Sally Rooneyは”Normal People”や”Coversation With Friends”などで人気の作家さんですが私は彼女の作品を読んだことがなく、読んでみたいなと思いながらも時が過ぎてしまいました。”Beautiful World, Where are you”は彼女の3作目の作品です。

あらすじはアリスとアイリーンという2人の大学時代からの友達の友情とアイリーンの幼馴染であるサイモンとの関係、また彼女たちの恋愛事情、生きていく上での葛藤など複雑な人間の心を描いた作品です。この作品は話の中で起こる出来事よりも登場人物の心の変化や葛藤を主に描いた作品だと思うので、あらすじを書くのが難しい作品です。話の中ではこれといって大きな展開はないのですが、4人の主要な登場人物(アリス、アイリーン、サイモン、フェリックス)の複雑な心情や葛藤がうまく書かれていたと思います。

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”Get a Life, Chloe Brown”by Talia Hibbert

⭐️⭐️⭐️(3つ星)

今回はロマンス小説の”Get A Life, Chloe Brown”を読みました。普段あまりロマンス本は読まないのですが、この本はブックチューブでかなり人気のある作品だったので読んでみることにしました。この本は2019年に出版されたようで、ブックチューブで人気のロマンス本だったので存在は知っていて読んでみたいなとは思っていました。ChloeBrownは3人姉妹で、あと2人の姉妹についてのロマンス本も出ているようです。

あらすじは慢性疾患を持っていて普段はリスクを極力避けて生きているChloeがもっと人生を満喫するためにやりたいことリストを作ります。リストを作ったもののなかなかそれを実行に移せないChloeですが、ひょんなことからChloeの住むアパートのハンディマンでアーティストでもあるRedのウェッブサイトを作ってあげるかわりにRedがChloeのリスト実行の手助けをするという取引をすることになります。取引をする前に二人はお互いにいい印象を持っておらずお互いに魅力を感じながらも避けあっているようなところがありましたが取引をきっかけに二人の仲は急接近していくことになりますが。。。。

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“Lessons in Chemistry” by Bonnie Garmus

⭐️⭐️⭐️⭐️(4つ星)

今回はBonne GarmusさんのLessons in Chemistryの感想です。こちらの作品はブックチューブでもたまに話題に上がっていて、少し興味はあったのですが特に買う予定もなかったところ、たまたまクリスマスプレゼントにもらったので読んでみることにしました。勝手に恋愛ものだと思っていたのですが、まあ恋愛も少し入っていますが内容は恋愛だけに止まらず、様々な社会的テーマが組み込まれていて色々と考えさせられる思ったよりも重たい作品でした。

あらすじは1960年代のアメリカを舞台に化学者であるエリザベスが女性差別と戦いながら努力を続け、自分を失うことなく正直に前を向いて生きていく様が笑いを交えながら描かれたものです。エリザベスは化学者でありながらひょんな事からテレビの料理番組を持つことになります。彼女は料理を科学的に捉え、それをテレビで視聴者に説明し、教えていきます。料理を教える中で、エリザベスの生き様や言動、行動はテレビをみているたくさんの女性を励まし、彼女たちの諦めていた夢を助長することになります。しかし、世の中にはそれをいいことだと思う人だけではなく、悪く思う人ももちろんおり、様々な物議をかもしだすことになります。

私の評価は星は4つです。たくさんの重たいテーマを扱っていながら興味深く、所々笑いも交えて読めたこととエリザベスは自分と全く違った性格でありながら彼女に共感し、最初から最後まで彼女を応援し続けたのは作者の技術があってからこそだと思います。この本がなぜこれだけ人気なのかと考えたところ、多分このお話の中に登場したり、言及されている女性たちが世の中の様々な立場の女性全ての気持ちをうまく代弁しているからではないかと思いました。

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“The End of Loneliness” by Benedict Wells

⭐️⭐️⭐️⭐️(4つ星)

今回はBenedict Wellsの”The End of Loneliness”です。この本は原作がドイツ語だからかブックチューブなどではあまり話題になっていない本なのですが、ドイツでは人気の本らしく(The European Union Prize for Literature)、知り合い二人からオススメされたので読んでみました。

あらすじは主人公Julesの幼年期から成人して小学生の子供を持つまでの間、約30年間ぐらいの物語が主人公の目を通して語られていくというスタイルです。Julesは子供の時に両親を事故でなくし、姉と兄と一緒に寄宿学校に送られます。同じ寄宿学校とはいえ年齢の違いから兄弟とは違う建物に住むことになったJulesが成長していく過程で経験する(または過去からくる)悲しみや孤独、そして友情や愛情が書かれています。

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“Regretting You” by Colleen Hoover

⭐️⭐️⭐️⭐️(4つ星)

今回は人気作家のColleen Hooverさんの作品で『Regretting You』をご紹介します。Colleen Hooverさんはブックチューブでもよく耳にする作家さんで数々の人気作を書いていますが、私は今まで読んだことがなく、この作品が初めてのColleen Hoover作品となります。

最近なぜか読書スランプに陥っており、読む本読む本途中で投げ出してしまうことが多かったのですが、たまたま図書館のYAセクションで見つけたこの本をもしかしてYAだったら読みやすくてスランプから抜けられるかなと思ったのがきっかけで借りてみました。が結果、夢中で読むことができたので正解だったと思います。

あらすじは割と最初の方でネタバレが起こってしまうので詳しくは書けないのですが、ティーンエイジャーのときに娘を産んだモーガンとその娘で現在ティーンエイジャーのクララが主人公で二人がチャプターごとに入れ替わって語り手となり話が進んでいきます。カテゴリー的にはロマンスとされていることが多いようですが、私の中ではメインの話は母と娘のお話で、そこに母のロマンスと娘のロマンスがそれぞれ散りばめられているといった印象を受けました。ティーンエイジャーと親の関係はいつでもなかなか難しいものだと思いますが、それに加えてこの母娘は様々な複雑な問題が重なり合っていて、その関係をより難しいものにさせています。娘を愛しているからしていることも逆に娘を遠ざけてしまう。そして母親を理解できない娘の怒りや悲しみがうまく表現されていると思いました。

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“84 Charing Cross Road”by Helene Hanff

⭐️⭐️⭐️⭐️(4つ星)

今回は読みたいなと思っていたこの本が図書館で見つかったので、借りて読んでみました。短い手紙形式で書かれていて、お話自体も短いのでサクサクと読めます。この本は1970年に出版され、今尚、本好きの間では割と有名な本のようです。そしてこれは読み終わってから知ったのですが、劇や、テレビや映画化もされているようです。しかも映画はあのアンソニーホプキンスが出ているということなので、これはぜひみてみたいと思います。

 お話はニューヨークに住む女性ヘレネがロンドンにある古本屋Marks & Co.から本を買うために一通の手紙を送るところから始まり、1949年から20年に渡る彼女とMarks & Co.で働く従業員(特にフランク)や家族との手紙を通して深まる友情が手紙形式で書かれています。私たち読者は彼らの手紙交換を通して、一緒に彼らを知り、まるで自分も手紙交換の一員であるかのような錯覚に陥ることになります。

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“Radio Silence” by Alice Oseman

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⭐️⭐️⭐️⭐️ (4つ星)

今回はブックチューブで人気のあったYA、”Radio Silence” by Alice Osemanを読んでみました。この本はすごく高評価だったので、読む前から結構期待感がありましたが、私は何しろティーンという年代からすでにかなり離れてしまったので、キャラクターに共感できるかという点がすこし不安でした。

フランシスはいい大学に入っていい仕事につくために学校でいい成績をとり、優等生を演じています。今まで特になんの疑問もなく、その目標に向けて頑張ってきた彼女ですが、学校の友達とに距離感を覚え、彼女たちと共感できない自分に気づいていきます。ある日フランシスが大好きなユーチューブのポッドキャスト『Univers City』という番組をきっかけに向かいに住むAledと仲良くなります。初めて自分を理解してくれる人に出会えたフランシスはAledと急激に仲良くなっていきますが、二人にはそれぞれ悩みや秘密、ストレスがあり、個々に悩み、成長していく様子がフランシスの視点から描かれています。

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”The Vanishing Half” by Brit Benett

⭐️⭐️⭐️⭐️ (4スター)

今回は今年の夏あたりにブックチューバーの間で話題になっていた本。”The Vanishing Half” by Brit Benettです。BLMムーブメント真っ只中のアメリカで出版されたこの本はそのタイミングと肌の色やアイデンティティについて深く考えさせられる内容により、ベストセラーになりました。

話の大まかな内容は南部の小さな村(町?)に生まれた双子の姉妹、デズリーとステラ、またその子供達の人生が1950年代から90年代にかけて複数の視点から語られています。デズリーとステラは黒人ですが、肌の色が明るい黒人で、肌色の明るい黒人によって形成された村で16歳まで過ごします。小さな村に嫌気のさしたデズリーはステラを誘って家出をし、二人でニューオーリンズに引っ越します。そこで、タイピングが得意なステラはデズリーに説得され、黒人ではふつう雇ってもらえないだろうという秘書の仕事に応募し、白人と間違われ、採用されます。仕方なく白人を演じていたステラですが、いつのまにかそれが普通となり、デズリーとステラは全く違う人生を送っていくことになります。

星は4つです。この本には人種差別、同じ人種内での差別、セクシュアリティーなど数々の問題点が入り混じっており、色々な意味で考えさせられる本でした。

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“Little Fires Everywhere” by Celeste Ng – Review

⭐️⭐️⭐️ (3 stars)

今回はCeleste Ngの”Little Fires Everywhre”のご紹介です。この本は数年前からBookTubeで話題になっていて聞いたことはあったのですが、内容についてはあまり知らず、知っていたのは家族ドラマだということぐらいでした。最近シリーズとして映像化されているのを知りまして、シリーズをみる前に本を読みたいなと思っていたところ偶然図書館で見つけたので借りてみた次第です。

あらすじは、一言で言うと、一見理想的な街にすむ理想的な家庭リチャードソン一家の貸家にシングルマザーのミアと娘のパールが引っ越してきてから、リチャードソン家の子供達と交流を深めていくうちに一見幸せそうに見える家庭の様々な葛藤や歪みが見えてくる話です。

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“The One” by John Marrs

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⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️(5Star )

出ました!5つ星です。今回は”The One” by John Marrsをご紹介したいと思います。この本の前に読んだ本の内容がとても重く、そしてかなり長い本だったので、さくさくっと読めたこの本の評価を上げる要因になったのかもしれませんが、この本とってもよかったです。とくに心に残るとか、読んだ後にずっと考えてしまうとかいう本ではないのですが、とにかくエンターテイメント性がかなり強い本です。続きが気になってどんどん読んでしまいました。

あらすじはDNAテストで世界に一人の運命の人に出会えるという技術が発達した世の中でたくさんの人がテストを受けて、自分の運命の人と会って一緒になっているのですが、テストを受けて最近結果がきた5人のキャラクターの話を追っています。それぞれが様々な理由でテストを受けますが、テスト結果を受け取ってからその相手に会うまでと会ってからどうなるかの経過が読者をドキドキハラハラさせながら語られています。

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