洋書コーナー

A Tale for the Time Being by Ruth Ozeki

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⭐️⭐️⭐️⭐️4/5

一番初めに紹介する本は Ruth OzekiのA Tale for the Time Being(日本題・あるときの物語)です。

この本は実は題名も作家の名前も聞いたことがなかったのですが、地元のドイツの図書館にある数少ない英語の本コレクションの中で見つけて、作家の苗字が日本の名前だったことにも興味をもち、借りてみることにしました。

この本はカナダに住む主人公のRuth(作者と同じ名前ですねー)が海辺で見つけた一冊の日記を拾ったことから始まります。日記を読みはじめたRuthはこの日記が日本に住んでいるNaokoという女の子の日記であることを知ります。Naokoはカリフォルニアで育ったのですが、父親が仕事を無くし、家族で日本へ帰ることになります。日本での学校生活になじめず、いじめにあうNaoは日記に全てを書き留めます。Ruthは日記を読み進めるうちにNaoが心配になり、Naoの身の上に感情移入していきます。

まず、印象的だったのが、日本についてとても詳しく、割と忠実に書かれているなということでした。日本が舞台だったり、日本人のキャラクターが書かれている洋書の中にはあれ?ちょっと違うんじゃない?もうちょっと下調べしたほうが良かったかもねと思うものもいくつかありますが、この本はちゃんと調べて書かれているなという印象を受けました。

作家のRuth Ozekiさんはアメリカ生まれで日本人とアメリカ人のハーフだそうです。日本語がどれほど話せたり書けたりするのかはわかりませんが、奨学金をもらって日本へ留学もしており、日本で教師として働いていたこともあるようなのできっと日本語も少しできるのではないかな?と思います。だから日本について詳しいし、間違ったことを書きたくなかったのかなと思いました。

さて、本の感想です。読みにくい箇所も多々ありましたが、私は割と好きなタイプの本でした。星で言えば4スター(最高が5スター)でしょう。一番読みやすく、興味を引かれたのはやはりNaoの日記の部分です。Naoが抱える様々な悩み、どこにぶつけたらいいのかわかならい怒りと悲しみがとてもうまく表現できていたと思います。いつの間にかNaoを応援している自分がおり、そしてRuthと一緒に私もNaoの結末が気になり、読み進んでいきました。しかしRuthの部分や彼女の夢の部分はちょっとわかりにくく、読むのに苦難しました。Naoと尼僧Jikoの関係も良かったです。作家のRuth Ozekiさんは自分の僧侶になったらしく、だからこそ仏教のことも詳しく書けているのでしょう。

また主人公は名前も同じ、住んでいる場所の同じなので作者自身が主人公になっているのでしょう。どこまでが真実でどこからがフィクションなのか興味が湧きました。

この物語は現実と夢の間を歩いているような感覚というかちょっと不思議な印象を受ける本です。好き嫌いが分かれる本かもしれませんが、とても興味深く色々と考えさせられる本なので興味があればぜひ一度手にとってみてください。

日本語版も出ています。題名は『あるときの物語』。上巻と下巻に分かれています。

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