”The Cruel Prince” by Holly Black
⭐️⭐️⭐️⭐️(4つ星)
今回は私には珍しくファンタジーものでHolly Blackの”The Cruel Prince”を読んでみました。こちらは2018年に出版され、その後続きがあと2冊出ているので全部で3作のトリロジーとなっているようですが、個人的には一冊でもゆるく完結されているように思いました。一冊でもう終わりにしたい人はここで終わりにもできるし、続きが読みたい場合はこれからまた無限に話を広げることができるのでうまい具合に終わっていると思いました。
この作品は結構有名な作品でたくさんのブックチューバーさんが昔読んでいた記憶があります。意見は別れるようですが、私的にはなかなか良かったのではないかと思いました。
あらすじは主人公のJudeが7歳の時、突然両親がFaeに殺され、Judeは二人の姉妹と一緒にFaerieの王国へ連れて行かれます。人間が蔑まされるFaerieの王国でJudeは他のFae達と衝突しながらも騎士になることを夢見て日々過ごします。そして、JudeがFaerieの国の政治的紛争の中で自分の立ち位置を確立していこうとする過程を物語ったお話です。
星は4つです。3つにしようか4つにしようか迷ったのですが、私が苦手とするファンタジーのジャンルであるにも関わらず物語の後半はかなり話に興味が湧き、どんどんと読み進めていけたし、作中のTwistもなかなか良かったと思うし、ロマンス要素はあまりなく、でも少しロマンスもあり、というところが私には向いていたのかもしれません。
まずファンタジーを普段読まない私にとってFaeの世界がイマイチわからなかったのですが、Faeは嘘がつけないとか、永遠に生きることができるとか、人間がFaeの世界の果物を食べると麻薬のように中毒になってしまうとかいうようなルールというか決まりごとがすごく面白いなと思いました。
また題名のCruelからも想像がつくようにPrinceをはじめとするFae達はみんな残酷で意地悪で信用できないキャラクターばかりで、そこもなんか私のイメージする美しく純粋なFaeとは違っていたのが良かったと思います。私はファンタジーとかFaeのストーリーをあまり読んだことがないのでこのようなルールはみんな知っていることなのかもしれないし、もしかしたら他の本ではまた違うルールがあるのかもしれませんが、そうゆう点で他のFaeの物語も読んでみたいなーと少し思いました。
キャラクターは残念ながら好きなキャラクターは一人もいなかったのですが、もしかしたらシリーズを読み進めていくうちにお気に入りのキャラクターできるのかもしれません。(続編を読むかはまだわからない。)でもキャラクターの一人一人を自分の頭の中で想像するのは面白かったし、これが映像化されたら是非みてみたいなと思いました。
最初の半分ぐらいは話が割とゆっくり進むので興味もわかずDNFしちゃおうかななんて思いつつだらだらと長い時間がかかってしまいましたが最終的に読み終えて良かったと思える作品でした。後半は色々な事件が起こって息をつく暇もなく、誰が王の座につくのか続きが気になり一気に読み終えることができました。冒頭でも言ったようにこの作品は3部作なので話の続きがもちろんあり、終わりかたも続きがあるように終わるのですが、それでもそのまま1作で終わりにしてあとは読者の想像にお任せということもできる感じのいい終わりかただったと思います。
シリーズ物があまり好きでない私がこの続編を読むかと聞かれると『う〜ん。』と言わざる終えません。絶対に読みたいとも思わないし、絶対に読まないとも言えない。もしかしたら読んでもいいかな?ぐらいの感覚です。でも映画やシリーズができたら絶対に見たいと思いました。
ということでこの作品はファンタジー初心者でも楽しむことができた本であり、最初の200ページぐらいを我慢して頑張って読んだらそのあとはどんどん読みすすめられる作品でした。興味のある方はぜひ読んでみてくださいね。Faeの世界が好きな人はもしかしたらすごく好きな本になるかもしれませんね。
日本語版も探してみたのですが見つかりませんでした。結構人気な作品なのに日本語版出ていないのかな?
親切な方が日本語版あるよ!って教えてくれました。調べたらありました!こちらです。『冷酷なプリンス』というのですね。ありがとうございました。表紙の女の子が可愛いけどこれはやっぱりJudeってことだよね?Holly Blackさんの他の本も機会があれば読んでみたいです。